現在、5月5日は『こどもの日』という祝日に制定されていますが、日本古来のしきたりでは『端午の節句』として、男の子の健康や成長を願う日とされています。

そしてこの節句に欠かせない飾り物として、外飾りの鯉のぼりと内飾りの五月人形の二種類があるのですね。

ここでは、内飾りである五月人形の種類や飾り方、時期などについてご紹介します。

五月人形とは!?

五月人形といえば鎧や兜をはじめ有名な武将や伝説の人物など、勇壮な存在感を持つものが多いですよね。

鎧や兜は命を守るものの象徴とされており、男の子が災難から守られながら健やかに成長するようにとの願いがこめられています。

また人形は、あらゆる災難を男の子の身代わりになって受けてくれる存在としてとらえられているようです。

伝説に養生する人物や戦国武将などの人形が多いのは、そのような人物のように強くたくましく育ってほしいとの願いがこめられているのですね。

ちなみに屋外に飾る鯉のぼりは、『この家には男の子がいます』と神様に伝え、将来立派な人間になるようにという願いが託されており、屋内の五月人形と両方飾るのが本来の姿という説もあります。

五月人形の種類

五月人形には様々な種類があります。

いきなりお店に入っても選ぶのが大変かもしれませんね。

代表的な鎧飾りや兜飾りなどはじめとした5種類をご紹介します。

飾る場所や好みに合わせて事前に大体の方向性を決めておくのがいいですね。

 鎧飾り

本格的な五月人形を飾りたいという方におすすめです。

甲冑すべてに弓と太刀を添え、細かな装飾がほどこされた豪華なセットなので見栄えはいいですが、大きさもあるため、まずは飾るスペースや収納場所の確保が必要になるでしょう。

作りによって『江戸甲冑』『京甲冑』の2タイプがあるようですので、実物を見て好みのものを選ぶのがいいですね。

まるで本物の武将が座っているような佇まいなので、小さな子どもさんは怖がるかもしれません。

兜飾り

一番シンプルに五月人形を飾りたい方には基本の『兜飾り』がオススメです。

実際にかぶれるタイプからコンパクトな収納タイプやケース飾りなど種類も幅広く豊富ですので、ご自宅の事情に合わせて選ぶことができそうです。

一般的なセットとしては、兜に弓と刀を両脇に添えたもの、さらに軍扇や陣笠,陣太鼓などが揃った『三品揃い』などが人気のようです。

個性のあるデザインや、有名な戦国武将の兜を模したものも揃っているようですので、選ぶのが楽しいですね。

コンパクトに五月人形を飾りたい方にオススメです。

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若大将飾り

甲冑をまとった少年の人形飾りです。

幼くもりりしい顔つきで、親近感もわきそうですね。

『若大将飾り』『子供大将飾り』とよばれ、馬に乗っている『馬乗大将』などバリエーションも豊富です。

全体的にコンパクトなので置きやすく、メインの五月人形とは別に贈られたり、二人目以降の男の子への贈り物としても人気があるようです。

武者人形

『金太郎』や『桃太郎』のような伝説上の人物や、歴史上で活躍した武将などをモデルにした人形です。

ふりかかってくる災いの身代わりとしてだけでなく、その人形の人物のように成長してほしいという願いを込めて飾るものなのですね。

鎧や兜のようなストレートな丹後の節句のイメージではないですが、ストーリー性のある人間像が男の子の心にも素直に入ってくることでしょう。

童人形

鎧飾りや兜飾りと並べて置く童人形は、男の子のにふりかかる災いの身代わりとなるお守りのような意味合いで飾られます。

『牛若丸』『獅子舞』『笛吹童子』などをバリエーションも豊富で、インテリアなどとしても違和感なく飾っておけそうですね。

二人目以降の男の子に贈る五月人形としてもオススメです。

五月人形の相場

飾りの種類によって相場には大きな幅があります。

一般的な相場としては、鎧飾りが1530万円、兜飾りは820万円が売れ筋とされているようです。

特に鎧飾りは相場が高い傾向にあり、豪華なものになると100万円程度になるとか。

比較的購入しやすいのは武者人形で、510万円程度のものが多いといわれます。

五月人形の飾り方

五月人形はいつ頃から飾っていつ片づけるのが常識なのでしょうか?また、どのような場所にどのように飾るのがいいのかなど、知っておくと助かる情報をご紹介します。

五月人形を飾る時期

具体的にいつから飾らないといけないという決まりはなさそうですが、春分の日が終わった頃から飾り始めるというのが一般的ではないかということです。

都合に合わせ、遅くとも4月下旬までには飾るようにするのがよさそうです。

また、初節句の時には少し早めに出して長い間飾っておいてもいいかもしれませんね。

五月人形を飾る場所や方角

五月人形を飾る方角には特に決まりはなさそうです。

飾る場所については、床の間があるお宅なら床の間が一番いいようです。

置き場所としてあまり向いていないのは、直射日光が当たる場所やほこりや湿気の多い場所など、五月人形が痛んだり色褪せる心配があるところですので、あらかじめ考えておく必要がありますね。

五月人形の飾り方の種類

五月人形には色々な飾り方があります。

大きく分けると飾り台の有無や台の段数による違い、収納ケースとの一体化などのバリエーションになるますが、それぞれのお宅の住宅事情や予算に合わせて選べるのがうれしいですね。

それぞれの飾り方の特徴をご紹介します。

平飾り

五月人形の中で最も主流といわれる飾り方といわれます。

床の間に直接『毛氈(もうせん)』『真菰(まこも)』という敷物を敷き、屏風と五月人形を置く『床の間飾り』はシンプルですが鎧飾りが最も映えるといわれます。

他にも飾り台がある『一段飾り』『平台飾り』『高台飾り』などがあり、台のデザインや高さによって様々なバリエーションがあるのが特徴です。

段飾り

飾りに使う台が段々になっているもので、段数は2段から5段くらいまで様々な種類があるようです。

複数の段があるものの中で主流といわれるのは3段で、上段から鎧と弓や太刀、中段には陣笠や陣太鼓、下段には吹き流しや鯉のぼり、お供えの柏餅やちまきなどを飾るようになっています。

サイズも様々ですので、それぞれのお宅の住宅事情に合わせて選べそうですね。

大きさによっては若干かさばりますので、サイズ感をちゃんと把握しておくことも必要でしょう。

着用飾り

文字通り、実際に男の子が着用することができる兜飾りや鎧飾りのことを指します。

毎年着せて記念写真をとるのもいい記念になりますよね。

比較的大きめなサイズのものが多いので、存在感のある飾りといえそうです。

収納飾り

五月人形の飾り台と収納箱が一体になっており、飾ったままの状態でそのまま収納できるのが特徴です。

細々とした付属品や脇に置く太刀や弓が固定されているので、出し入れが非常に簡単で手間がかからないという利点があります。

コンパクトに収納できることができますので、しまうスペースを確保しやすいのもうれしいところですね。

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ケース飾り

ガラスやアクリル製のケースに五月人形などが入っているタイプで、コンパクトで場所をとらず汚れもつきにくいことから人気が出てきているようです。

設置や片付けも簡単で、インテリアとして一年中飾っておいてもいいですね。

つるし飾り

五月人形の脇飾りとして置かれるもので、ちりめん細工などの縁起の良い色々なモチーフが吊るされたものです。

モチーフに使われるのは、金太郎や鯛,犬張子やでんでん太鼓などで、そのそれぞれに出世や健康,金運などの意味がこめられているそうです。

五月人形の片付け方

高級素材を使った繊細な工芸品ですので、片付けの際には大切に扱いましょう。

直射日光や湿気が大敵なので、よく晴れた日に片づけるようにすることも必要ですね。

収納前にしておくべきことは、顔や衣装の埃をやさしく取ること、人形の顔を守るために面紙をまいてあげることです。

作業の際には手袋をして手の脂分や汚れがつかないようにするのがいいでしょう。

緩衝材として和紙や薄手の布地で包み、虫や湿気の被害に遭わないよう防虫剤や樟脳を入れておくことも大切です。

五月人形を片付ける時期

端午の節句が終わったら早めに片づけるのがいいでしょう。

目安としては5月中旬までには片付けを終えておくのがいいとわいれます。

種類によっては年中飾っておくものもあるでしょうが、毎年節目の行事として男の子の成長や健康を祈るという意味で毎年飾るのがいいですね。

五月人形を片付ける場所

五月人形の収納場所として適していない環境は、湿気と高温です。

大敵であるカビが生えたり、害虫の被害に遭いやすくなりますので、特に梅雨や真夏の時期の状態をよく把握しておくことが大切でしょう。

気密性の低い物置小屋などは絶対に避け、住居の中でも1階より2階の方が安全ともいわれます。

まとめ

五月人形にも様々な種類がありますね。

男の子の節句だけに、戦国武将などにちなんだ勇壮なものが多く、健康にたくましく成長してもらいたいという家族の願いが伝わるものになっています。

以前は鯉のぼりも多く見られましたが、毎日の出し入れも大変で飾る場所の問題などから、最近はあまり目にしなくなりましたよね。

その分、内飾りの五月人形の需要も高まっているともいえそうです。

ご家庭の収納事情や予算などを前提にして、わが子にぴったりの人形を選んであげてくださいね。

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