とても意外なことですが、日本の梅雨はヒマラヤ山脈と大きな関係があるのです。
日本の梅雨とヒマラヤ山脈の関係について、調べました。その説明の前に、まずはヒマラヤ山脈のことをまとめておきます。
ヒマラヤ山脈は、パキスタン、インド、ネパール、ブータン、そして中国の5つの国にまたがる、世界最大の山脈です。
ブータントネパールの国土のほとんどが、ヒマラヤ山脈で成り立っています。
地球上には、標高が8000mを超える山は14あるのですが、そのすべてがヒマラヤ山脈にあります。
そんなヒマラヤ山脈の中で、標高が8000m以上の領域は「デスゾーン」と呼ばれています。
この名前は、標高8000m以上の場所では人の身体がその土地の空気の濃度や気圧、気温などに対応することができず、長時間滞在すると生命の危険にさらされてしまうことからつきました。
今でも少しずつですが山が高くなっていることも、ヒマラヤ山脈の山々の特徴です。
ヒマラヤ山脈について、少し分かっていただけましたか?
次の段落では日本の梅雨とヒマラヤ山脈の関係についてまとめていきます。
ヒマラヤと日本の梅雨の関係は?
日本の上空には、常に強い西からの風が吹いています。
冬の間はこの風が日本よりも南を吹いているためあまり影響を受けることはありませんが、気温が上がるにつれて、この風の吹く位置は北上してきます。
5月を過ぎるとヒマラヤ山脈の中の、インドにあるチベット高原あたりを風が吹くようになるようになるのですが、チベット高原の高さが風が吹いている位置よりも高いため、風は高原を越えることができません。
そのため、風はチベット高原の北と南に分けられてしまいます。
チベット高原で2つに分かれてしまった風は、日本よりも東の海で再び1つになります。
この風が1つになるとき、北海道の北にオホーツク海高気圧ができるのです。
オホーツク海高気圧は湿っていて冷たいという特徴をもつ気圧です。
この高気圧が北海道や東北に、冷たい風を送ります。
このとき、日本の南東の海上には夏の太平洋高気圧があります。
太平洋高気圧がオホーツク海高気圧と日本付近でぶつかり、日本の上空に梅雨前線ができます。
そして、日本に梅雨がやってくるのです。
梅雨って何かいいことがあるの?
ヒマラヤ山脈の影響で梅雨がやってくることはお分かりいただけたでしょうか?
この段落では、梅雨にはどんなメリットがあるかについてまとめていきます。
梅雨は農業と漁業には欠かせない!
まず農作物に与える影響ですが、梅雨は最初の時期は降水量がそれほど多くなく、しっかり雨が降る期間が続くため、農作物がしっかり育ちます。
そのため、美味しい野菜が育ちやすくなるのです。
漁業に与える影響は、梅雨が山に与える影響にまで遡ります。
梅雨にたくさん雨が降ることで、山に積もっていた落ち葉は栄養分をたっぷり含んだ腐葉土になります。
その腐葉土の栄養分が、川や海に流れて、プランクトンが育ちます。
栄養をたくさん摂って育ったプランクトンを魚が食べることで、魚も美味しくなるのです。
紫外線の量が少ない!
雨の日は紫外線の量が快晴の日の3割ほどしかないことをご存知ですか?
曇りの日も紫外線の量は快晴の日の6割程度にまで抑えられます。
曇りや雨降りが多い梅雨の時期は、紫外線の量が少ない時期なのです。
この他にも夏の水不足を解消できることなど、梅雨には多くのメリットがあります。
まとめ
日本に梅雨の時期があるのは、ヒマラヤ山脈の影響で風の状態が変わってしまうからだということが分かりました。
ヒマラヤ山脈は大陸にある山脈で、日本から遠く離れた位置にあるため、梅雨の原因はヒマラヤ山脈が高くて、風がその影響を受けてしまうからだと説明してもなかなか実感がわかないかもしれませんが、ヒマラヤ山脈があるおかげで日本には梅雨の時期があり、梅雨の時期がないと困ってしまうこともあります。
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