毎年直木賞が誰に決まるのか、あちこちで予想されていますが、今年2017年1月19日に発表された直木賞は、恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」が受賞されています。

直木賞が発表される前に、候補作品としてノミネートされた作品の中で、どれになるかと予想されていた方もいるかもしれませんが、予想通りでしたか。

直木賞の予想2017

直木賞に詳しくない方には、ここで豆知識を。直木賞は、各新聞や各雑誌、もしくは単行本としてすでに発表されている大衆文芸作品の中から最も優秀とされるものに授与する賞になります。

ここでは、直木賞の候補作品を中心に紹介します。また、候補にあがっていた作品なども紹介します。

「蜜蜂と遠雷」恩田陸

直木賞に詳しい予想では、すでに恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」が本命と語っている方もいたようです。恩田陸さんは、直木賞の候補に過去5回も名前が上っていた作家です。

功労賞的な性格を強めているといわれている直木賞では、恩田陸さんがもともと一番受賞に近いと目されていたようです。「蜜蜂と遠雷」の作品は、恩田陸さんにとっても間違いなく代表作になる傑作と評価している方もいました。

作家としてのキャリアも含めて、作品の質においても受賞は固いだろうと予想している方も多かったようですね。

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 「蜜蜂と遠雷」の対抗馬

「蜜蜂と遠雷」の対抗馬とされていたのが、須賀しのぶさんの「また、桜の国で」です。国家とはいったい何なのか、民族とは何?といった骨太のテーマに真っ向から取り組んだ作品「また、桜の国で」。第154回の直木賞候補では、「どうしてアメリカ軍の兵士の物語を書かなければならないのか」といって評されたり、「この種の小説には、必要不可欠とされる戦争観や哲学性が足りない」といった否定的な評価もありました。

しかし、今回は、そんな選考委員会が指摘していた問題点などをクリアされていた作品だっただけに、受賞の可能性としては少なくないのでは?といった声もあったようです。

 穴とされた森見登美彦「夜行」

この作品は、好きか嫌いかがはっきりと分かれる作品と言われているようです。こういった作品を好んでいる選考委員が一人いたら、強く推す可能性もあるかもしれないと予想できたようです。

そういう意味で「穴」とされる作品のようです。こういった場面で、声の大きな選考委員がはっきりと主張をし続けたことによって、受賞にまで至る結果になったという話もよくあるようなので、ひょっとしたらといったような見解だったようです。

 直木賞:奥田陸とは

今回、直木賞を受賞した、奥田陸さんは、幻想小説・ミステリー・SF・ホラー、他には青春小説など、かなり幅広いジャンルで作品を書き上げてきた作家のです。「夜のピクニック」では、吉川英治文学新人賞と本屋大賞を受賞しています。また、「ユージニア」では、日本推理作家協会賞を受賞し、「中庭の出来事」で山本周五郎を受賞している作家で、多くの名作を世に送り出している作家になります。

「蜜蜂と遠雷」のあらすじ

「蜜蜂と遠雷」の物語は、国際的にも注目を集める「芳ヶ江国際ピアノコンクール」で、誰が優勝するかというもの。カリスマ性を兼ね備え天才少女として騒がれていた、マサル・レヴィ・アナトールという少女が、母の死でピアノから遠ざかり大人になり、音楽への夢を捨てられずに、28歳でコンクール出場を決めます。

コンクールの参加者は一次予選から三次予選とふるいをかけられ、6人だけがレースに挑むことができる厳しい戦い。その中でライバルたちと切磋琢磨しながら上を目指す主人公と、参加者の過去や因縁なども織り交ぜながら物語は進んでいきます。

演奏を表現する場面では、難しいとされる音楽を鮮やかに表現されていること、場面ごとに変化や仕掛けが用意されているところなど、読み終わるまで飽きさせないものになっています。

まとめ

以上です。直木賞の予想2017と題して、受賞した「蜜蜂と遠雷」の作品と評価などについて紹介しました。今回受賞した「蜜蜂と遠雷」には、天才的なピアノ奏者が勝負をしていく展開が、「ガラスの仮面」などを思い出させるところもあり、その世代に方には、感情移入してしまう作品かもしれません。

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