博多のゴールデンウィーク中の楽しみといえば『博多どんたく』を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
開催期間は2日間と短いですが、動員数は実に200万人以上ともいわれ、日本でも有数の賑わう祭りとして知られています。
地元に根ざした祭りから始まり、今では全国から観光客が集まり海外からも注目されるようになった恒例のイベント、今年の日程やおすすめの楽しみ方などをご紹介しましょう。
目次
博多どんたくの歴史
『博多どんたく』は、『博多祇園山笠』『放生会』とともに博多三大祭りの一つとして親しまれ、正式名称を『福岡市民の祭り 博多どんたく港祭り』といいます。
国選択無形民俗文化財である『博多松囃子』という行事を起源としているといわれ、800年以上続く伝統のあるお祭りなのですね。
『博多松囃子』とは、宗(中国)との貿易より博多に利益をもたらした武将である平重盛に感謝の気持ちを示す意味合いで始まったと伝えられており、江戸時代になると新年のお祝いをしに福岡藩主を訪問する旧正月の行事として定着していきます。
福岡城へ向かう行列は『通りもん』と呼ばれ、福禄寿や恵比寿,大黒天と稚児を本体とした趣向をこらしたものに博多の町商人が続くといった賑やかなものであったといわれます。
『通りもん』は福岡城への訪問後に市中を練り歩いて地元の有力者の家を祝い、そのお返しとして酒などが振舞われたりしたそうです。
しかし、明治時代に入ると「金銭を浪費し、かつ文明開化にそぐわない」という理由で禁止され、7年後の再開時に『どんたく』という名前で紀元節(建国記念日)に開催されることになります。
大正時代に入ると招魂祭の4月30日と5月1日に時期を変え、昭和に入ってからは戦争による中断を乗り越え、終戦後の1946年(昭和21)5月に『博多復興際』として復活し、今の『博多どんたく』の形へとつながっていくのです。
博多どんたくの名前の由来
『どんたく』の語源はオランダ語です。
日曜日(休日)の意味を持つ『Zondag(ゾンダーク)』がなまったものといわれています。
『どんたく』という言葉は、明治政府が制定した祝日を表す言葉として、政府自身が広めたとされます。
まだ週休二日制がなかった頃、土曜日は学校や職場では午後が休みであることを『半ドン』(半分休日)と言っていたのも、この時期からといわれます。
旧正月に行っていた『博多松囃子』を禁止されたことで、明治政府が制定した祝日(紀元節)を祝う『どんたく』として祭りを再開したというのが、今の『博多どんたく』の由来なのですね。
博多どんたくの2018の日程
2018年で第57回目を迎える『博多どんたく』は、毎年同じ日程で開催されていて、前夜祭1日と本祭2日間の合計3日間で盛りだくさんのイベントやパレードが行われます。
詳細については徐々に発表があると思いますが、ここでは例年通りの日程と定番のイベントなどをご紹介します。
前夜祭
日 時 : 5月2日(水)16:30~20:30(予定)
場 所 : 福岡国際センター(福岡市博多区築港本町2-2)
翌日から開催される祭り本番に向け、役員やゲスト,芸能人や来場の一般市民が一体となり、博多どんたくのスタートを祝います。
本祭
5月3日(木)9:30~21:00
市内30ヶ所でどんたく隊演舞,ゲスト歌謡ショーなど
開会式
10:00~ 開会式(ベイサイドプレス博多埠頭)
どんたく隊パレード
10:00~11:30 博多駅前通り
13:00~19:00 明治通り
5月4日(金)10:00~21:00
市内30ヶ所でどんたく隊演舞,ゲスト歌謡ショーなど
どんたく隊パレード
11:00~13:00 博多駅前通り
15:00~20:00 明治通り
総おどり
18:00~ 明治通り
博多どんたくの交通規制の場所と日程
メイン会場などでは、どんたく隊のパレードや花自動車など様々な催しが繰り広げられ、それを目当てに多くの見物客もおしよせます。
安全に祭りを楽しむため交通規制が行われますので、確認しておくといいですね。
■どんたくストリート(博多駅前通り)
5月3日(水)10:00~11:30
5月4日(木)10:00~13:00
博多駅前2丁目交差点付近から博多区役所南口交差点にかけて
■どんたく広場(明治通り)
5月3日(水)13:00~17:00
5月4日(木)15:00~20:00
呉服町交差点西詰から天神交差点東詰めにかけて
博多どんたくの参加方法
博多どんたくを開催している『福岡市民の祭り振興会』は、毎年パレードや演舞台への参加者を募集しています。
流れとしては、事前連絡をした上での参加説明会への参加が必須となっており、特に初めて参加を希望する場合は『どんたく隊受付窓口』への申込みが必要です。
今年の締め切りは平成30年2月13日(火)17時だったということです。
参加条件
どんたく隊としての参加条件【博多どんたくHPより】
http://www.dontaku.fukunet.or.jp/recruit/flow
1.どんたく隊の衣装、内容などの制限は特にありません。
山車・お囃子・歌・踊り・楽器演奏・仮装など、自由にご参加下さい。
但し、ローラースケート、スケートボード、自動二輪車、自転車等での参加は出来ません。
2.どんたく隊の演技・装飾及び演出については、次のようなことを表現して下さい。
但し、単純な広告やPR目的での参加はお祭りの趣旨に反するとともに、観客の方にも悪い印象を与えかねませんのでご遠慮下さい。
なお、本HPにはフォトギャラリーもございます。
よろしければ参考にしてください。
①「お祝い」という気持ち・姿を表現するもの。
② 楽しく、ユーモアに溢れたもの。
③ ユニークで話題性に富むもの。
④ 創造性、もしくは将来性豊かなもの。
⑤ 国際性豊かなもの。
⑥ 年度毎のテーマを祝うもの。
⑦ 「伝承」の価値あるもの。
前夜祭の内容
2部構成になっており、第1部は役員や博多松囃子の入場セレモニー,稚児舞の奉上、第2部は招待ゲストやどんたく隊の演技,歌謡ショーという構成になるようです。
芸能人や旬なアイドルが登場するため、それを目当てにされている方も多いでしょう。
ちなみに2017年のゲストは氷川きよしさんで、他にも福岡を拠点に活動している団体などが多数出演されたようです。
今年のゲストの情報はまだですが、例年通りであれば前夜祭の数日前に市政だよりなどで発表されるそうです。
整理券
前夜祭は入場無料ですが、整理券が必要になります。
市内の指定された各所で6000枚の配布がありますが、毎年入手するのはかなり難しいようで、早いところは配布から数十分でなくなるといった話もあるようです。
整理券の発布日
2017年の配布日は4月19日(水)10:00~で、配布場所は下記のとおりでした。
・福岡商工会議所
・西日本新聞社
・RKB毎日放送
・ベイサイドプレイス博多港ベイサイドミュージアム
今年の配布日は公式HPなどで発表される予定ですので、参加されたい方はこまめにチェックしておくことをおすすめします。
本祭の内容
5/3(木・祝)、4(金・祝) 抽選35組 博多どんたく港まつりの出演者募集 https://t.co/eb9S7YIbTS #早良区
— 福岡市 広報戦略室 (@Fukuokacity_pr) 2018年3月15日
博多どんたくの期間中は、市内各地の色々な場所にステージが準備され、様々な催しが同時に行われます。
特設演舞台は全部で30ヶ所以上といわれますので、それぞれのスケジュールを事前に確認しておくことが必要でしょう。
公式HPでも随時情報更新がありますので、チェックしておくといいですね。
http://www.dontaku.fukunet.or.jp/
また、最寄の駅などに公式パンフレットがありますので、それをもらっておくのもオススメです。
見所は「パレード」
数百団体、人数にして3万5千人以上もの人々が参加するパレードは、博多どんたくの見所となっています。
企業や官公庁,学生や子どもたち,外国人や各自治体などの団体が『どんたく隊』として参加しており、趣向をこらした扮装や多彩なパフォーマンスで練り歩く様子は見ごたえ満点です。
音楽隊やマーチング,チアリーディング,踊りなどジャンルも様々で、老若男女楽しめる内容になっているのも魅力でしょう。
パレードには、人気キャラクターが描かれたり華やかに電飾された花自動車も数台参加しており、夜になるとライトアップされてパレードをますます華やかに盛り上げてくれます。
他にも前夜祭のゲストや、過去にはディズニーキャラクターの参加もあり、サプライズの楽しみも期待できそうですね。
こちらのパレードの観客数は、2日間で実に200万人といわれ、相当の混雑が予想されます。
朝早くから場所取りをしたり、レジャーシートなどを持参して座って見物を楽しむ人も多いようですが、通りを散策して露店などを楽しみながらパレードも観覧するといった方も、それほど見にくい状況にはならないようです。
ただし悪天候の場合は中止になってしまうので、お天気が気になるところですね。
パレードには桟敷席がある
2017年のパレードから観光桟敷席が4年ぶりに復活したので、座って見やすい場所でパレードを堪能したい方にはオススメです。
こちらは前売り券3,000円、当日券3,500円で自由席となります。
昨年の前売り券の販売開始は3月1日で、チケットぴあ及びローソンチケットでの扱いとなり、当日券は桟敷席横のテントにて販売されたとのことです。
この桟敷席の設置場所はパレードの中間地点に位置する水上公園付近ということで、大きなビルや建物が少ない人気の見物ポイントといえそうです。
パレードが見れるおすすめスポット
中洲川端駅の出入り口付近は、駅を出てすぐにパレードコースがあり、交通手段込みで考えると便利な場所でしょう。
また、明治通り沿いの鈴懸本店のカフェは、通りに面した部分が大きなガラス張りになっているので、店内でくつろぎながらパレードを見ることができるとして人気があるようです。
皆参加できる「総踊り」
最終日の夕方から始まる『総踊り』は、誰でも飛び入り参加ができます。
参加して楽しむという意味合いが強いどんたくの醍醐味といっても良さそうですね。
天神地区,広場本部地区,呉服町地区,お祭り本舞台,中洲・川端地区の5箇所で行われます。
踊りの始まる10分程度前からしゃもじが配られ、総踊りの輪を作って練習をしてから本番に入るという流れで、参加者には手ぬぐいやお面がもらえたそうです。
皆で踊って盛り上がる一体感を感じられ、最後に「踊って終わらにゃ博多っ子じゃなか」の掛け声とともに博多一本で締めくくられた瞬間、博多どんたくに参加してよかったという気持ちになることでしょう。
しゃもじを持つ理由
総踊りではなぜしゃもじを持って踊るのでしょう?
どんたく隊の祭囃子につられて、夕飯の支度をしていた奥さんが手に持っていたしゃもじをたたいて参加したというのが始まりという説が多いようです。
博多どんたくのおすすめポイント!
博多には『もつ鍋』『豚骨ラーメン』『水炊き』など美味しいものも満載です。
ゴールデンウィーク中に発行される『博多どんたクーポン』を使えば、指定店で割引やサービスなどを受けることができてお得ですね。
クーポンはWEBページの提示でOKですし、わざわざ店を探す手間もはぶけて便利でしょう。
屋台がたくさん!
どんたく会場には、大小合わせて約200店近くの屋台が出店しています。祭りならではの焼き鳥やおでん,ラーメンから中華料理やフレンチ,そしてバーなど、様々なジャンルのグルメを楽しむことができそうです。
特に明治通りでは、屋台だけでなく路面店も屋台風の形態で営業しているようですので、気楽に立ち寄れそうですよね。
また、どんたくセールやフェアのようなイベントをしているお店も多いようですので、パレードを見ながらお店も楽しむことができますね。
博多湾内クルーズ!
どんたく開催2日間の夜には、博多湾内クルーズを楽しむことができます。
昨年は、市営渡船の大型のクルーズ船で博多湾を周遊するコースが無料で募集されました。
航行は5月4日のみでベイサイドプレイス博多発着、申込みは4月11日締め切りの郵送で行われたそうです。
普段は2,000円程度の費用が必要なクルージングを無料で楽しめ、しかもどんたくで賑わう博多の街を海から眺められるなんて、またとないチャンスですよね。
他にも、レストラン船で立食ブッフェ料理やアトラクションを楽しめる有料プランもあるようです。
最終日の20時に打ち上げられる花火を船上から眺めるのも、ゴールデンウィークのいい思い出になりますよね。
豪華ゲストやキャラクター
前夜祭はもちろんですが、本舞台や演舞台に様々な芸能人や著名人,旬なアイドルなどがゲスト出演しますし、どんたくをテレビ取材している芸能人にたまたま出くわすチャンスがあるかもしれません。
また、ゆるキャラや子どもたちに人気のキャラクターなどがパレードに参加したり、過去にはディズニーキャラクターが登場したこともあります。
今年の招待ゲストなどの情報は公式HPで公開されるようですので、チェックしておくといいですね。
まとめ
ゴールデンウィークの後半は、博多の街がお祭りムード一色になりそうですね。
招待ゲストも出演する前夜祭は整理券確保が難しいかもしれませんが、本祭はその場に行けば楽しむことができますので、あらかじめお目当てのイベントを確認してからお出かけください。
特に最終日4日の夜は、誰でも参加できる総踊りや花火もあるようです。
盛りだくさんのお祭りをしっかり楽しんで、いい思い出を作って下さいね。
今のあなたにおすすめの記事