土用の丑の日に「うなぎ」を食べることになったのは、いろんな説がありますが、実は、うなぎじゃなくて、鯉を食べてもらおうと、鯉屋を営んでいる方も便乗して繁盛したというお話も残っているようです。
そんな商売競争は、今とそれほど変わらない感じがしますよね。やっぱり売れるものなら、いろんな方法を見出すのが商売人ですもんね。さて、土用の丑の日に「うなぎ」を食べる風習と同じく、しじみを食べるといった習わしもあるようです。
目次
土用の丑の日にはしじみも食べるものなの?
しじみは、もともと体に良いとはされていますよね。最近、テレビ通販でもしじみエキスの入った商品を売り出しています。しじみの栄養価は高く、ビタミンB群やカルシウム、鉄分、亜鉛など他にもたくさんの栄養を含んでいます。
そんなところから土用の丑の日に「しじみ」があったのでしょうか。どうやら、うなぎ同様に「土用しじみ」というものがあるようです。
「土用」とは
まず、「土用しじみ」をご紹介する前に、「土用」とはそもそも何か?というお話から書いていきますね。「土用」は、中国が起源とされている思想で「五行説」と関わりがあるようです。
五行説では、「この世のあらゆものは<木・火・土・金・水>の5つの要素から成り立つ」という考え方なんです。5つの要素がお互いに影響し合いながら調整することで成り立つというものなんですね。
実は、この五行説には、色や体、方角、季節などいろんなものに対応しています。その中の「季節」が五行説でも使われます。
木=春、火=夏、金=秋、水=冬、という表し方をします。さて、この中に土用の「土」は入っていません。実は、「土」は、それぞれの季節の変わり目を指すものなんです。ということは、「土」は季節の変わり目でいえば、年4回あることになります。
また、「牛の日」は、十二支の「丑」のことを指します。十二支は「年」だけではなく「日」にも及びます。それで、「土用の丑の日は、土用の期間である「丑」に日」を指すことになります。
ちなみに、年4回の土用は「立春=2月4日頃」・「立夏=5月5日頃」・「立秋=8月7日頃」・「立冬=11月7日頃」。それぞれの日の前のだいたい18日間を「土用」としています。
「土用」胃腸が弱りやすい季節
五行説の中での「土用」は、季節の変わり目を指すものですが、実は、これを体の部位に当てはめることができます。それが「胃腸」なんです。
簡単にいうと、五行説をもとにしている考え方にすると、土用の季節に胃腸が弱りやすいとなるようなんですね。季節の変わり目は体調を崩しやすいことは、誰もが経験したりよく耳にすることなので、納得はできますよね。
土用の丑の日にしじみを食べるものなの?
土用の季節に胃腸が弱りやすいとするなら、胃腸が弱まることで、消化吸収にも影響が出るのはもちろんのこと、そこから体調不良にもなりかねませんよね。
「土用しじみ」は、夏が旬のしじみのことを総称していいます(しじみは冬が旬のものもあります)。しじみは、先ほど紹介したように、体にはいい成分がたくさん含まれていて、昔は、腹の薬とも呼ばれていたほどで、胃腸の健康を保つために食べられていたようです。
そこで、土用の丑の日には「うなぎ」を食べて滋養強壮、そして、胃腸を健康に保つためにしじみ汁を飲むと良いとされるようになったんです。うなぎ屋さんに行くと、うなぎと一緒にセットでしじみ汁が出ることも多いですよね。
そもそもはうなぎでなくてもいい土用の丑の日
土用の丑の日にうなぎを食べることは、いつのまにか風習にはなっていますが、そもそもうなぎでなくてもいいはずなんです。土用の丑の日は、魔除けのおまじないとして、黒い色のものを食べることから始まっているので、うなぎ以外なら、ナマズや鯉、なすびでもいいわけです。
昔の人は、うなぎが高価で手が出なかったことから、うどんや梅干しなどで代用していたようですよ。うどんや梅干しなどは、のどごしもよく食欲不振にはもってこいの食べ物だったことや、梅干しは食欲を出してくれるような成分も含まれていますよね。
まとめ
以上です。土用の丑の日にはしじみも食べるものなの?と題して紹介しました。しじみ汁は、さっぱりとしていておいしいですよね。うなぎとしじみ汁を飲んで、今年の夏は、夏バテ知らずでいけるんでしょうか。
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