私たちがよく使う言葉には「祭り」がありますが、「縁日」って言葉は、あまり聞かなくなりましたよね。縁日というと、どこか下町のイメージがあって、その地元に根付いたこぢんまりとしてお祭りのイメージがあります。そこで、今さら気になる祭りと縁日の意味と違いについて調べてみました。
目次
夏祭りと縁日の違いは?それぞれの意味は?
そもそも、夏祭りと縁日で線を引いて各地で催されているのか調べてみると、きっちりした線はないものの、規模の大きさやその町だけでのイベントなどで名称が違うところもありました。ただ、「祭」と「縁日」では多少意味合いが違うようです。
夏祭りが行われるようになった理由
現代の夏祭りは、賑やかなイベント、家族連れからご年配の方々まで楽しめるもので、宗教の色合いもなく、誰もが行ける祭りですよね。でも、「お祭りの始まり」は、もともと神様への祈願の意味や、「無病息災」・「悪霊退散」などの意味で催されていたり、「労働者を労う」意味で開催されていたようです。
各地のお祭りの意味
前章で紹介したように、お祭りには意味があります。そこで、全国的に知られているお祭りを例に上げて、そのお祭りの意味について紹介しますね。
秋田竿灯まつり(秋田県)
秋竿燈まつりは、真夏の病魔や邪気を祓う意味合いがあって催されていた「眠り流し」という行事が元になっていて、のちに「秋田竿燈まつり」と命名されます。
太秦の牛祭(京都)
こちらのお祭りは、国家安全・五穀豊穣・悪霊退散を祈願する祭りとして始まったお祭り。京都のお祭りには、歴史が繁栄されたお祭りが多いですが、どれも神事として行うお祭りがほとんどです。
今宮やすらい祭(京都)
平安時代にまでさかのぼる「鎮火祭」です。当時、桜の花が終わるころに、町の中で疫病が流行り蔓延してしまったことから、疫病の鎮静化を願って祭りを始めたとされています。
祇園祭(京都)
京都で、疫病が流行して、祟りが起きたと恐れていた人たちが、お祓いの意味と、病魔退散をお祈りしたお祭りとされています。
なぜ祭りが夏に?
夏はお盆もあり神事が多いことから、夏祭りが多いのがわかりますが、前章でも紹介したように、この時期に病気になる人が多かったことも一つの要因になっているともいわれています。
夏は、食べ物が腐りやすくて、それを食べれば、お腹を下さすことにもなります。また、梅雨には雨が続き台風も来ます。そんな時期特有の病気や災害があって、夏祭りを始めるきっかけになったのではないかということのようです。
縁日とは?
「縁日」はもともと仏教に由来している言葉なんです。実は、神社などでやっているお祭りがまさに「縁日」になるんですね。神社などが救済や成仏などに「縁がある日に供養」などを行うことを「縁日」と言っていたようです。
もっとわかりやすく説明すると、縁日は「有縁の日」と略して、「神様と、仏様と<縁>を結ぶ日」となります。
お祭りと縁日の違い
先ほども紹介したように、お祭りは、五穀豊穣を祈ったり、厄災の鎮静を願ったり、神様や仏様に日頃の感謝をしたり、ご先祖様に感謝をしたりする日とされていますよね。縁日も、多少の違いはありますが、同じように神様への祈りや願いを込めて催されます。
違うのは、本来、縁日は、神様と仏様との縁を結ぶことから、神社やお寺で行われるものとされています。お祭りが行われるところは、本来、お祭りと縁がある場所で行われるのがお祭りになります。
花火大会の意味
今でこそ、あちこちの花火大会は、一つのイベントとして盛り上がり賑やかになるものでしたが、もともとは、鎮魂の意味もあって20発ほど打ち上げる、何とも寂しい花火から始まったようです。これもまた、神事の一つとして催された花火大会だったようです。
ただ、賑やかでも小さくても、現在の花火も神事の意味であげていることは、今も変わりませんよね。
まとめ
いかがでしたか。夏祭りと縁日の違いは?今さら気になる祭りと縁日の意味と題して紹介しましたが、参考にしていただければ幸いです。縁日と聞くと、浅草寺のお祭りを思い出してしまうのですが、まさに寺に縁のある場所で、下町情緒がまだまだ残っているお祭りですよね。
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