気象予報などで「台風が日本列島に沿うように」、「台風が進路を変えて」といった言葉をよく聞きますよね。台風は日本列島に進路を変えて向かってくるときにもこういった言葉を使います。

そもそも台風はなぜ日本列島に沿ったり曲がったり、進路を変えてくるんでしょうか。ここでは、そんな台風の疑問を調べました。また、「台風」は「大風」でも良さそうな気がするんですが、なぜ「台風」だったんでしょう。

台風はなぜ日本列島に進路を変えるの?台風はなぜ「大風」じゃないの?

冒頭で紹介したように、台風が進路を変えたときに、「曲がって」といった言葉で表すこともありますよね。なぜ、台風は日本に向かってくるのか。また、台風の名前についても調べました。

台風はなぜ日本列島に進路を変えるの?

台風は赤道付近で発生して、まずは、赤道付近に吹いている偏東風に乗って西に向かいます。(「偏東風」は、へんとうふうと呼びます。)それだけじゃなく、太平洋高気圧と地球の自転の影響を受けながら北上していきます。

この状態で進んでいけば、日本に上陸するようなことがあっても、ごく一部の地域になるんです。そして、日本海側へと抜けて去っていきます。

ところが、日本に上陸した台風というのは、「偏西風」の影響も受けるんですね。偏西風の風の流れに乗れば、東に向けて「進路を変更」することになります。そうなれば、日本列島をなぞるようにしながら進んでいくことになります。

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8月9月に多い台風のなぜ

九州地方や沖縄などは、8月に台風が多いことで知られていますよね。関東や東北にかけては、9月に一番台風が多くなります。二つの地方でこの時期に台風が多いのは、太平洋高気圧が関係しています。

台風は、太平洋高気圧が勢力を強くしている時期は、日本に近づいてくることができません。関東なら6月7月に台風が少ないのは、この太平洋高気圧の勢力が強くて、台風が寄ってくることができないんです。

ところが、九州や沖縄の8月、関東から東北にかけての9月は、太平洋高気圧が徐々に勢力を弱めてくる時期です。そのために、台風は、やっと太平洋高気圧にはばまれることなく、太平洋高気圧のへりにそって移動して、日本に接近できるようになります。

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10月に台風が少ない理由

例年、10月頃でも台風は発生しています。でも、日本に向かってくることはあまりありません。台風に影響を及ぼす太平洋高気圧は、日本のはるか遠く南東に遠ざかっているために、赤道付近で発生した台風は、南東のあたりで「くの字」に曲がって進んでいきます。

そして、偏東風によって、フィリピンの方向へと進んでいきます。もし、10月の時点でも、太平洋高気圧が日本近海にあるような場合なら、日本上陸も当然可能性としてはあります。

「台風」はなぜ「大風」じゃないの?

これは、今さらながらといっても、誰もが一度は思った疑問ではないでしょうか。もともと「台風」ではなく「颱風」と記載されていたようなんですが、1956年に同じ音になる漢字に置き換えられたのが「台風」です。

当用漢字が定められてから「台風」となったそうです。「颱風」と呼ばれるようになったのは、諸説いろいろあるようですが、英語の「typhoon=タイフーン」が「颱風」になった説が有力とされています。「台風(颱風)」は、南の赤道に近いところで発生した大きなつむじ風を「台風」としています。

「大風=タイフーン」

実は、まさに「大風」と命名していた国がありました。昔の台湾や中国では、激しく強い風のことを「大風(タイフーン)」と呼んではいたようです。これがヨーロッパに伝わって先ほど紹介した「typhoon」になっていきます。

そして、「typhoon」が再度逆輸入して、台湾と中国に入ってきてそこからは「颱風」の字があてられたそうです。なので、ひょっとしたら「大風」になっていた可能性もありますよね。

まとめ

いかがでしたか。台風はなぜ日本列島に進路を変えるのか、なぜ「台風」を「大風」と呼ばないのかなどの疑問について紹介しました。この台風の進路の流れを見ていると「太平洋高気圧」は一つの目安になりそうですよね。予定を立てている時は、とにかく太平洋高気圧を応援したくなるかもしれません。

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